小さなランドスケープ|大阪・玉造のインドアランドスケープ

玉造のマンション共用部 苔テラリウム展示

この作品は、上町台地の地形と生態系を小さな風景として再構成したものです。

露出した岩盤を思わせるフェザーロック、林床に生育する寒葵(カンアオイ)、岩陰で光を反射する光苔(ヒカリゴケ)などを用い、この土地に積み重なった自然と時間を表現しています。

大阪市上町台地のマンションエントランスに設置した苔テラリウム。ランドスケープエコロジーの考えに基づく室内緑化・インテリアグリーンの施工事例。
大阪市玉造に納品した小さなランドスケープ苔テラリウム

小さなランドスケープ

大阪市玉造を含む上町台地は、かつて大阪湾や河内湾に囲まれ、半島のように海へ突き出した地形でした。玉造周辺には、古代に勾玉などをつくる玉作部が居住していたとされ、その歴史が「玉造」という地名の由来になっています。
この作品では、その土地の記憶を読み解き、一つの小さなランドスケープとして再構成しました。中央に据えた大きな石は、かつて海へとせり出していた上町台地の地形を表現し、その周囲に配した小さな黒い石は、この地で採れた勾玉の材料となる鉱石を象徴しています。その骨格の上に、京都・貴船の苔、日本の古典園芸植物である寒葵や獅子葉のシダ、松葉蘭などを重ねることで、太古から続く植物の時間と、日本人が育んできた植物文化が共存する風景を目指しました。

完成を目的とした作品ではなく、時間とともに変化する生態系を観察する小さなランドスケープ実験でもあります。

苔テラリウムを構成する植物の解説図

苔テラリウムの構成

①植物 ヒカリゴケ 
暗い環境で光を反射し、美しく輝く希少な苔。今回の作品では、室内環境で生育できるかを観察しています。

②植物 カンアオイ
日本の林床に自生する植物。落ち着いた葉姿が森の静けさを表現しています。

③植物 ノキシノブ
岩や樹木に着生するシダ植物。年月を感じさせる風景をつくる役割を担います。

④植物 マツバラン
約4億年前から姿をほとんど変えていない原始的な植物。太古から続く生命を象徴しています。

⑤植物 シシバシダ
日本で古くから親しまれてきた古典園芸植物。自然と人の文化をつなぐ存在として選びました。

⑥植物 セラギネラ
湿った森を覆うように広がる植物。景観全体に生命感と柔らかさを与えています。

⑦石 ニュージェットストーン
ドーバー海峡で産出する希少な天然石。古代から装飾品として利用され、人との歴史を持つ素材です。

⑧石 フェザーロック
上町台地の地形をイメージしたランドスケープの骨格。植物が根付き、時間とともに風景を育てます。

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