Ecological Design
エコロジカルデザイン

知見を、空間へ応用する。

フォレストガーデンのガーデンデザイン構成図。

エコロジカルデザインとは、ランドスケープエコロジー(景観生態学)によって得た環境の知見を、具体的な空間へ応用する設計方法です。

土地・水・光・風・土壌・植物・生き物・建築・人の営みを個別に扱うのではなく、それらの関係を読み取り、その場所に必要な環境を組み立てます。


京都を拠点に活動するランドスケープデザインスタジオplantwiseが施工しら淡路島のZEH住宅と、建築と連動した生態系的ランドスケープ

WHAT IS ECOLOGICAL DESIGN

エコロジカルデザインとは

エコロジカルデザインとは、庭を自然らしく見せるための表現様式ではありません。

一つの場所には、土地の履歴、光、風、水、土壌、植物、生き物、建築、人の営みなど、さまざまな条件が存在します。それらは個別に成り立つのではなく、互いに影響しながら一つの環境を形づくっています。

plantwiseは、美しい風景をつくることと、植物が健全に育つ環境をつくることを分けて考えません。ランドスケープエコロジーによって場所の関係を読み取り、空間構成、植物選定、土壌と水の計画、建築の内外のつながり、施工後の育成管理へと置き換えていきます。

目指すのは、自然の風景をそのまま再現することではありません。建築、人、植物、生き物が変化を受け入れながら関係を築き、時間とともに成熟していく環境を設計することです。

→ ランドスケープエコロジーについて

奈良公園の鹿


土地から条件を読む

READING THE SITE

場所に、すでにある関係を読む。

エコロジカルデザインは、植物を選ぶ前に、その場所で何が起きているのかを理解することから始まります。

土地の履歴や周辺環境、地形、建築によって、光・風・水の動きは変わります。土壌の状態や既存の植生、生き物の存在からは、その場所で植物が育つ可能性と課題が見えてきます。

さらに、建築の内部から見える風景、人の視線や動線、空間の使われ方、施工後の管理方法も、植物環境を考えるうえで重要な条件です。

これらは個別に存在しているわけではありません。強い風は土壌を乾燥させ、建築がつくる陰は光と水分の条件を変え、土地の高低差や舗装は水の流れを決めます。

plantwiseは、それぞれの条件を関係として読み取り、何を残し、何を整え、何を新たに加えるのかを判断します。その理解を、空間構成、地形と排水、土壌、植物の種類や配置、育成管理の計画へと置き換えていきます。
場所を読むことは、設計前の調査だけを意味するものではありません。その場所に必要な設計の根拠を見つけることです。

敷地には、目には見えない流れがあります。

それを読み解くことが、ガーデンデザインの最初の仕事です。

  • Wind|風  
    地形や建築ラインから、風の“抜け”と“溜まり”を把握する。
  • Light|光  
    日射角・陰影・反射を観察し、光の質と量を読み取る。
  • Water|水の動き  
    浸透・滞留・排水のルートを見極め、景観と生育の両方を安定させる。
  • Soil|土壌
    粒度・保水性・pHを確認し、根が呼吸できる基盤を整える。
plantwiseが沖縄古宇利島で行った土壌設計

京都薬師町の工事画像。京町家の庭のガーデンデザイン。京都の町屋の庭の再生プロジェクト。

DESIGNING RELATIONSHIPS

条件をつなぎ、空間の関係を組み立てる。

場所を読むことで得られた情報は、そのままでは設計になりません。異なる条件を結びつけ、空間として成立させることがエコロジカルデザインの役割です。

建築から見える風景と外部での過ごし方。人の動線と植物の成長空間。地面の高低差と水の流れ。季節ごとの光や風と、施工後の管理方法。plantwiseは、これらを個別に解決するのではなく、互いに支え合う関係として組み立てます。

植栽も、空間を飾るために加えるものではありません。視線を導き、木陰をつくり、水を受け止め、建築の内部と外部をつなぎ、人や生き物が過ごす環境を形づくる要素として計画します。

そのため、同じ植物を使っても、土地や建築、人の使い方が変われば、配置や組み合わせ、必要な土壌、管理の方法も変わります。

あらかじめ形を当てはめるのではなく、その場所に存在する条件から必要な関係を導き出す。それが、plantwiseのエコロジカルデザインです。


沖縄今帰仁村のエディブルガーデンデザイン植栽

ECOLOGICAL STRUCTURE

植物が育ち続ける構造をつくる。

風景の安定性は、植物の種類だけでは決まりません。根が伸びる土壌の深さ、水の浸透と排水、光や風の条件、植物同士の配置までを、一つの構造として考える必要があります。

plantwiseは、土壌と水の計画を基盤に、高木・亜高木・低木・地被植物など、異なる高さと性質を持つ植物を組み合わせます。それぞれの成長空間を確保しながら、木陰をつくり、地表の乾燥を抑え、季節とともに変化する植栽環境を組み立てます。

植物がつくる木陰や蒸散、風の通り方も、その場所の微気候に影響します。建築や敷地の条件に応じてこれらの働きを生かし、人と植物が過ごしやすい環境へ整えていきます。

目指すのは、自然の構造をそのまま再現することでも、管理の必要がない庭をつくることでもありません。植物の健全な生育、空間としての美しさ、施工後に可能な管理方法を踏まえ、その場所に適した構成を設計することです。

→ レイヤー植栽を応用した沖縄の食べられる庭

沖縄古宇利島のエコロジカルランドスケープデザイン

MICROCLIMATE

建築と植物がつくる、場所ごとの気候を読む。

同じ敷地の中でも、建築の向き、日射、風の通り方、地面の素材、水の動きによって、温度・湿度・乾燥の状態は異なります。こうした小さな環境差が、植物の生育と人の過ごしやすさを左右します。

plantwiseは、その場所にすでにある微気候を読み取り、植物の配置、木陰のつくり方、風の緩和、土壌と水の計画へ反映します。植物だけで気候を制御するのではなく、建築・地面・植物の関係によって、熱や乾燥の影響を和らげ、その場所に適した環境を整えます。


淡路島の個人邸の植栽メンテナンス

DESIGNING WITH TIME

時間とともに、風景を育てる。

施工によって空間の骨格はつくられますが、植物のある風景は、その時点で完成するものではありません。

植物は季節とともに成長し、光や風、水の条件も変化します。建築の使われ方や人の動線が変われば、植物と空間の関係にも調整が必要になります。

plantwiseは、設計の段階から植物の将来の大きさや成長過程を想定し、施工後に可能な管理方法までを計画します。完成後も植物の定着や生育、土壌、水分、日照の変化を観察し、剪定、間引き、土壌改善、植栽更新を重ねながら環境を整えていきます。

育成管理の目的は、施工直後の形をそのまま維持することではありません。変化を受け止めながら、植物、建築、人、生き物の関係を、その場所に適した状態へ育てていくことです。

現場で得られた気づきは、次の管理と設計判断へ還元されます。設計し、つくり、観察し、知見を更新する。この循環によって、ランドスケープは時間とともに成熟していきます。

→ Field Research|現場での観察と検証について


京都の観葉植物レンタルを行うplantwiseのサービス概要図

屋外環境以外に室内空間においても、光・風・湿度・土壌の読み取りは重要です。

plantwise KYOTOは、オフィスやコワーキングスペースの室内緑化にもバイオフィリックデザインを基にした生態学的設計を応用しています。


RELATED PROJECTS

異なる環境から、必要な風景を導き出す。

同じ設計方法を繰り返すのではなく、土地、建築、気候、人の使い方を読み取り、その場所に必要で最適な植物環境を組み立てています。