Landscape Ecology Research

フィールドから学ぶランドスケープデザイン

岐阜の養蜂のための蜜源農園ランドスケープ

都市で設計するために、自然の中で学ぶ。

plantwise KYOTOは、京都でランドスケープデザインを行うスタジオです。しかし、本当に豊かな都市環境を設計するためには、自然環境そのものを理解する必要があると考えています。京都で建築と自然が一体となるランドスケープを設計する一方、岐阜県の山間地では養蜂やビオトープの管理、蜜源植物や在来植物の観察を続けています。フィールドで得た知見を、都市・ホテル・住宅・リゾートの環境設計へ還元しています。


岐阜養蜂場とフィールド実践

Ecosystem

Gifu farm.


岐阜農場
plantwiseは岐阜の山奥に養蜂場を運営しています。養蜂事業を通じて、環境問題と向き合う取り組みを行っています。

養蜂と環境の関係

蜂は自然界において重要な役割を果たしています。彼らは植物の受粉を助けることで、生態系のバランスを保ち、農作物の生産性を高めています。しかし、近年、養蜂業は多くの環境問題に直面しています。

生息地の減少

課題は生息地の減少です。都市化や農地の拡大に伴い、ミツバチが自然の花から花粉や蜜を集めるための場所が減少しています。特に、単一の作物しか植えられていない農地では、ミツバチが必要とする多様な食料が提供されず、栄養不足に陥ることがあります。

未来のために

養蜂業を守ることは、私たちの未来を守ることにつながります。ミツバチの健康と環境の保護は、私たちの食料生産や生態系のバランスに直結しています。フィールドで得た知見を、実際のランドスケープ設計へ還元していきます。


レンゲを咲かせ、土を育てる田園風景

養蜂を調べるにつれ、植物の中でも蜜源植物に興味を持つようになりました。
その中でもレンゲという植物に特に着目しています。春になると水田一面に咲くレンゲは、単に美しい田園風景をつくる植物ではありません。ミツバチに蜜や花粉を供給すると同時に、稲作を支える緑肥として、長く農地の循環の中で利用されてきた植物です。

レンゲは稲の収穫後に水田へ播種され、春に開花した後、田植えの前に土へすき込まれます。マメ科植物であるレンゲが蓄えた窒素や植物体は、次に育つ稲の養分や土壌の有機物となります。研究でも、レンゲの生育量を把握して施肥を調整することで、化学肥料の使用を減らした水稲栽培が可能であることが示されています。しかし、かつて各地の水田で見られたレンゲを利用する米作りは、次第に少なくなってきています。化学肥料の普及によって緑肥を栽培する必要性が薄れたことに加え、レンゲの発芽や生育が気象や圃場条件に左右されること、播種やすき込みの時期を調整する必要があること、種子価格なども継続的な利用の課題となっています。

レンゲ畑が減ることは、一つの農法が使われなくなることだけを意味するのではありません。

春の蜜源が失われ、土を植物で覆う期間が短くなり、花の咲く水田を中心として生まれていた昆虫や人、農業との関係も変化していきます。私たちは、レンゲを肥料・蜜源・景観を別々に成立させるのではなく、一つの植物が複数の役割を担うランドスケープとして捉えています。

養蜂からレンゲを知り、レンゲから稲作と土壌の循環を知る。それは、一つの植物を観察することから、その背後にある農業、土地利用、生態系、地域の風景までを読み解いていく過程でもあります。

plantwiseでは、レンゲをはじめとする緑肥植物の可能性を改めて観察し、土壌を育て、昆虫の生息環境を支え、次の植生へつながるランドスケープとして、都市や農地の環境設計に応用する方法を探っています。


緑肥植物とランドスケープ

緑肥植物とは、収穫することを目的とする植物ではありません。

土壌を豊かにし、地表を覆い、微生物や昆虫の生息環境を育みながら、次の植生へとつないでいく植物です。
クローバー、ヘアリーベッチ、ライ麦など、それぞれ異なる役割を持つ植物があり、窒素を固定するもの、土壌の物理性を改善するもの、雑草を抑制するものなど、その機能は多岐にわたります。私たちは、これらを単なる農業技術としてではなく、ランドスケープを構成する植物として捉えています。

植物は鑑賞するためだけの存在ではありません。土を育て、水を受け止め、生き物を支え、次の植物が育つ環境を整える。そうした目に見えにくい働きもまた、ランドスケープを構成する重要なデザインの一部です。

都市においても、地表を植物で覆い、土壌環境を改善し、生態系の基盤を育てるという考え方は、これからのランドスケープデザインに欠かせない要素だと考えています。plantwiseでは現在、クローバーをはじめとする緑肥植物を実際のフィールドで試験的に導入し、その成長や周辺環境への影響を継続的に観察しています。


環境を読み、風景を整える

Ecological Design

光、風、水、土壌、植物の関係を読み取り、
時間とともに続く環境を設計します。

環境の関係性から、ランドスケープを考える

Landscape Ecology

土地、建築、光、風、水、土壌、植物の関係を読み取り、設計の根拠を考えます。