RESIDENTIAL|KYOTO
京都・薬師町の京町家の庭園再生
Garden Design / Planting Design

京都薬師町の京町家の庭園再生
京町家に、風と水の通り道をつくる
京都市上京区・薬師町。二条城にもほど近い歴史ある町に建つ京町家の改修に合わせ、庭の植栽設計と施工を行いました。
この庭の手がかりとしたのは、京都盆地を囲む山々から街へ吹き下ろす風と、水が地形に沿って流れる風景です。風に揺れるグラス類や水辺を思わせる植物を重ね、町家の室内からも風や水の気配を感じられる植栽を構成しました。
伝統的な京町家の庭をそのまま再現するのではなく、建築が受け継いできた時間の上に、現代の植物文化を重ねる。古いものと新しいものが一つの風景として共存する庭を目指しました。
Project Data
Location
京都市上京区薬師町
Type
Residential / Kyomachiya Garden
Scope
Garden Design / Planting Design / Construction
Year
2025

在来種と南アフリカ原産植物を重ねる
この庭では、日本在来の植物に、南アフリカ原産の植物やグラス類を組み合わせました。異なる土地に由来する植物を単に並べるのではなく、葉の形や質感、風に揺れる姿、季節ごとの変化を読み取り、一つの風景としてつながるように構成しています。
伝統的な京町家の庭には見慣れない植物も含まれます。しかし、京都の文化そのものが、外から伝わった思想や技術を受け入れ、その時代の感性によって再解釈されてきました。この庭でも、在来の植物と新しい植物文化を共存させることで、町家の時間を継承しながら、現代の風景へと更新しています。
植物の原産地の違いを見せることが目的ではありません。日照や排水、風の通り方、成長後の姿を読み、それぞれが同じ庭の中で無理なく関係を結べる環境をつくることを重視しました。
町家の環境を読み解く
京町家の庭では、面積の大きさ以上に、建物との距離や室内からの見え方が重要になります。この庭も独立した外部空間ではなく、町家の中へ光や風、季節の変化を伝える場所として捉えました。
限られた空間では、光の届き方や風の抜け方、水の留まり方が、わずかな位置の違いによって変化します。それぞれの植物が無理なく育ち、成長後も風が通るよう、植物同士の距離と余白を考えながら配置しています。
完成時の形を固定するのではなく、植物が根を張り、季節ごとに姿を変えながら庭全体の関係をつくっていく。その過程まで含めて、町家と植物が時間とともに馴染む環境を設計しました。


施工前から完成まで
施工前の状態を確認した後、町家の室内からの見え方や植物同士の重なり、石や流木との関係を現場で確かめながら、庭を組み立てていきました。
植物を配置して全体の高さと密度を調整し、施工の終盤には苔によって植物と地面の間をつないでいます。完成時の姿を固定するのではなく、植物が成長し、季節の変化を受けながら町家に馴染んでいく余地を残しました。
京都・西大黒町の京町家の坪庭
茶室からの視線を軸に、既存の灯籠、手水鉢、景石を生かして再構成した坪庭。新しい要素を強く主張させず、町家が本来持つ静けさと風格を引き出しました。

京町家・住宅の庭づくりをご相談ください
町家の改修や住宅の新築に伴う庭の植栽設計・施工を承っています。建築設計者、不動産事業者との協働や、建築計画の初期段階からのご相談にも対応しています。

