沖縄北部の古宇利島の沿岸地域のランドスケープ設計
沖縄北部の古宇利島での宿泊施設のランドスケープ設計の塩害対策や土壌設計について。沿岸地域の植栽設計のアプローチ。

沖縄でのホテル・ヴィラ・商業施設のランドスケープ設計を検討されている設計事務所様・事業者様へ
沖縄・古宇利島の1日1組限定ヴィーガン宿泊施設のガーデンデザインと植栽施工を行いました。古宇利島は近年まで船でしかアクセス出来ませんでしたが、橋が出来たことで盛り上がりを見せています。最近では近隣にできたテーマパークの影響で急激に開発が進んでいます。周りを美しい透明度の高い青い海に囲まれ、大地は石灰岩で出来た長年の自然が生み出した絶景の島です。島特有の耐候性を考えながら本州では観葉植物として扱われる植物、ハーブや沖縄伝統の野草、土中塩分を調整する働きある植物を使用し生態学的アプローチを行いました。
→沖縄古宇利島の施工詳細ページ
1|Project Context|計画背景
この物件は、
- 強い季節風(主に北東風)
- 高い塩飛沫曝露
- 石灰岩由来のアルカリ性土壌
- 有機物保持力の低い地盤
- 強い紫外線と高温多湿環境
といった、植物にとって厳しい条件を持ちます。
本計画では、植栽を単なる装飾要素としてだけではなく、沿岸ストレスを緩衝する環境レイヤーとして設計することを主軸に据えました。


2|Environmental Constraints|環境制約の整理
沿岸環境における主な課題は、以下の通りです。
- 塩飛沫(Na⁺ / Cl⁻)の継続的付着
- 風圧による葉面損傷
- 石灰質基盤による高pH傾向
- 排水性と保水性のバランス確保
- 初期定着期の根圏不安定性
これらの条件を前提とし、植物選定および土壌構造を再設計しました。
3|Design Strategy|設計応答
本計画では、沿岸環境に対して以下の対応策を採用しました。
1. Salt-buffer Planting Strategy
塩ストレス緩和種を前面に配置し、風下に向かってストレスを段階的に減衰させるレイヤー構成を形成。
Atriplex spp.(ソルトブッシュ)をはじめとする耐塩性植物を、バッファー帯として機能させた。
2. Layered Vegetation System
低木・中木・地被を組み合わせ、風の分散と地表温度の安定化を図る。
3. Root Zone Aeration Structure
地表下に通気性を確保したレイヤー構造を形成。
サンゴ砂利層・麻炭混合層・既存土層を組み合わせ、根圏の酸素供給と排水性を調整。
4. Soil Amendment Design
宮古島産麻炭を用い、微生物環境の安定化と保水・排水バランスの調整を行いました。
4|Sectional Logic|断面構造

本計画における地下構造は以下のレイヤーで構成される。
- Surface Gravel Layer
- Coral Gravel Layer
- Hemp Charcoal Mixed Soil
- Improved Drainage Zone
- Native Limestone Base Soil
この断面構造により、
- 塩イオンの局所的蓄積を緩和
- 根圏の空隙率を確保
- 過剰水分の排出と適度な保水を両立
することを目指しました。
植栽帯は、塩ストレスを“除去”するのではなく、緩衝・分散・安定化するシステムとして機能します。
5|Temporal Performance|時間軸での安定化
沿岸植栽は、施工直後から安定するものではないです。
初期定着期においては塩ストレスの影響を受けるが、
- 植物の定着
- 根圏の拡張
- 微生物環境の形成
に伴い、ストレスは緩やかに安定化していく。
本計画では、植栽を短期的景観ではなく、時間とともに成立する環境構造として設計しています。
6|Design Position|設計思想
本プロジェクトにおいて、植物は視覚的装飾としてだけではなく、環境条件を調整するインフラとして扱いました。
沿岸という厳しい条件下においても、植栽は建築と拮抗する存在ではなく、建築とともに環境を編集するレイヤーとして作用します。
plantwiseは、都市および沿岸環境において、植物を環境システムとして設計することを目指しています。
plantwiseは以下の対応が可能です。
・沖縄の気候条件を考慮した植栽設計
・塩害・強風対策
・土壌改良設計
・施工およびメンテナンス
[ 施工事例一覧を見る ]
サービスの価格や仕事内容の詳細はこちら
